夕刻、ドライブ途上の車中でのこと。運転中の妻に一本の電話。
「私は、今、***に居ます」「****と、いたしまして、」
「その理由と言いますのが・・・・」
「*****と思っているしだいです・・・・」などなど。
電話が切れた後で、僕が尋ねた。「堅いの・・・・」
「さっきの人、あの、ものいい何?」「何ともぎょうぎょうしい」
「もっと普通にしゃべられんのかーー」妻が応えた。
「元、航空警察やから・・・・」さらに僕が「本人は別に、ええけど」
「まわりの人が、たまったもんじゃないよ・・・・」
「気の休まる暇がないぞ。」妻がとどめを刺した。「だから、
あの年で独身やね」「ふーん、俺と同じくらいじゃないん」「もう一生、独
身やな」「こうじ・・・・より上よ」「ふーん、最悪・・・・」
疑う余地もなく、四角四面を絵に描いたような、きまじめな人なのだろう。
しかも、正義感の異常に強い、24時間いかつい顔をして冗談ひとつ
口にしない、ある意味で、悪い言い方をすれば、人格破綻者でないのか。《言葉が過ぎました、すいません》
独身時代、僕にも似たような上司が居た。ほんとに苦手だったが、
よく食事に誘ってくれたので、それなりに付き合った。回らないすし屋で
いみじくも、彼がつぶやいた。「あんたが、うらやましい・・・」自由で、
真面目でない僕の言動は、つとに戒められたもんだが、本心は僕のよ
うに生きてみたかったなんて、聞いてみないとわからないものだ。40歳
過ぎて、胃を悪くして、手術して長期休養を強いられた上に、退職間際
まで会社に、いいように使われたそうだ。周りに気を使いすぎて自分自
身を見失って、自分の人生を行きてこれなかった、ことを悔やんだはず。
コロナのせいで、うっとうしいマスクが嫌で、すぐにはずして、おしゃべり
してしまう僕は、いつも注意を受けてしまう。とある事業所の人に伺った。
「家ではさすがに、マスクしないでしょう?」ほとんど即答で、
「してますよ、立場上、かかるわけにいかんですから・・・・」
僕は正直、この人、 《**シカ、変わっている》って思った。 100%の感染防止に、例外は認められないってこと。
その人の《人となり》を理解して、真面目にウソをつくような人でな
いだけに、かわいそうというか気の毒で・・・・ 寝ている間ですらマスク
姿が目に浮かぶのです。しかも、子供や両親までもが彼の考えに異を
となえられず、マスクを強いられていると思うと・・・・言葉がみつからない。
《あくまで、想像です。》 そこまでして、自分の大切な時間、家族を犠牲
にしてまで、守るものって、いったい何? 《蛇の道は蛇》ってわけで。
《人って、悪いことと、わかっていても止められず、良い事って、わかっ
ていても、何で素直に、できないんだろう? 》
きまじめで、忠実な会社人間が陥りやすい《悲劇》だろうか?
《**さん、ごめんなさい》 こんな人に限って、
「まさか、こんなはずじゃなかったのに・・・・」って最後に口にして、
会社や世間をうらむことになってしまうもの。
でも、確かなことがひとつある。《真面目》は人間の中で、間違いなく
最も崇高な美徳のひとつである。何かを成し遂げた人は、すべからく
その道においては真面目である。《真面目》は成功への絶対条件だ。
しかしである。何事においても、過ぎれば、《あだ》となる。《過ぎたるは
及ばざるがごとし》 真面目一辺倒では、物事の枠組みにとらわれすぎ
て、問題の袋小路に迷い込みやすい、部外者、外れモノ、異端者の
違った視点が何かを大きく変えるもの。パラダイムシフトの真っ只中の
今だからこそ。得てして、真面目より不真面目の方が得なことが多い気がする。
今日はここまで。近藤浩二でした。
では、また。会える日まで。
くだんの僕の上司は、仕事中は決して仕事以外の話はしてこなかった。
それで僕は、努めて、仕事以外の話題を振ったもんだ。プライベートで
は、同じ野球チームで共にプレイしたが、結局、親しい友人までにはな
れなかった。疎遠になってから、20年以上になるかな。思い出すことに
仕事中、よく気がつくと、僕の様子伺いに近付いて居たようだ。
ある時、僕が「はくしょん、はくしょん・・・・ 」「誰か、俺のことで
想いわずらっているのかな? 」ってひとりごとを言うと、僕の
後方でクスクスって声がした。振り返ると彼が居た。
くしゃみ一回、悪口、くしゃみ二回で、誰かの慕う想い。
って耳にしたことがあったので。
僕は別に、不真面目を推奨するつもりもなければ、
真面目な人をディスってるつもりも、マウントしようとも
思っていません。正直、僕は真面目な人が大好きです。なぜって、
総じて、《真面目な人は、正直者で誠実な人だからです。》
ただ、自分がひねくれ者で、上から目線で、ほんと、
あい、すいませーん。 あくまで、私見ですのであしからず。
でもほんと、「オネスティー イズ ザ ベスト ポリシー」は真実。