ある昼下がり

三時のおやつの後、網戸からの涼風が心地よい。突如、「ブル

ブル、ブル」「ブルーン」と閑静な村に轟音(ごうおん)が

響き渡り同席していた誰もが、不快そうな顔つきで見つめ合う。


驚きとともに元凶を見届けたいとの興味から、一同表へ出る。

目の前の道を大型バイクが、こともなげに通り過ぎる。

田植え前の水を張った一面に対岸の山々、家々がさかさまに

写しだされて、視界が大きく倍に広がり想定外の万華鏡に

脳みそがちょっとしたずれを整えようと躍起になる。

速攻で、まばたきを連続させて視界を大きく変える。

家周りに雑草がうっそうと、はばを効かそうと攻めたてる。

変に気が効く義兄がしゃしゃり出る。「ちょっと、抜くね」

「頭使うのはやるから、身体使うのはまかすわ、」と小生は

中にひっこみ、扇風機に向かって「あーあー」とひまつぶし。

「偉そうに!!」と見下された。「カラスの勝手でしょう」と

返すと、ギョッとにらまれた。めげることなく、くだらない活動

を黙々と続ける。先祖とつながる、終わりのない現実が妙に心安

らぐ。突っ込みどころ満載の、ただの老いぼれと愛想つかされな

いように、手短かなところの片づけから手を付ける。「もう、帰

るよ」の待ちわびていた号令に「はいっ」と威勢よく、満を持し

て応じ、こらえきれずに席を立つ。これでも、そこそこ肩身が狭い


今日はここまで。近藤浩二でした。

では、また。


歴史を振り返っても、ここだけの話が、絶対、ここだけで済まさ

れないように、ムダ話しやムダなことが、決してムダのままで

は終わらない、のです。


 

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