寝床の東に面する窓から、すでに7時前に眩しい朝の
光が差し込む明るい部屋。祝日の今朝、仕方なく目を覚ます。
なんだかスッキリしない。昼前に少し外出。川沿いに
走行して山側に上昇する。一区切り、程よい所で降車する。
外では肌寒い、ひんやりとした心地よい風がそよそよと
吹き抜ける。透明度の高い穏やかな川の水のせせらぎ。
鳥のさえずりも聞こえる。トンボが群生して出現する。
ここからが本番。風が爽やかな、なだらかな道を歩く。
暑くはないがわずかに、汗ばんできた、歩き回って少し
息はあがっているのに、この上なく幸せな気持ちに包まれる。
6畳ほどの広さの小高い山の脇の展望台から市街一面を見渡す。
「めっちゃ、きれい。」「見渡す範囲があなたの領地です。」
領主時代に言われた言葉が頭をよぎる。上を見る。
まばゆいばかりの青空。真っ白い雲。雨によって浄化された
かのような空気。ところどころ彼岸花の赤が目に入る。
秋めいてきた、木々の色鮮やかな青い山。
白い雲が陽光によって、光が乱反射して刻々と色が変わる。
そよぐ風もひんやり、虫の音が聞こえてきます。空と山が
織りなす絶景。まるで絵画の額縁から、切り抜いたような景色。
人の心を癒し元気にさせてくれる自然。反対に、言い尽くせ
ないほどいっぱいに、人を疲れさせる、突発的な
自然災害があった今年の夏。
自然の景色がほんのりと濃い。日常では有名飲食店で
さんまが定食に横たわる。夏の終わりを告げる
兆候(ちょうこう)を感じる。
今はもう9月の半ば、本当に夏が終わり
秋の始まりを実感する。お金より欲しいもののひとつ。
心の平安、充足を与えてくれる、僕の大好きな秋という季節。
秋はすべてが彩られる季節。秋は終わりではなく、冬を通して
春へとつなぐ大切な季節。暑気が払われ、華やいで、活気ある
人や街。山から華やいでいる市街を眺望する。山の上から
思い入れの場所を子細(しさい)に観察する。高校まで
生まれ育った僕の唯一の故郷(ふるさと)の眺望。
♪ うさぎ追いしかの川 ♪ がふと口から洩れる。期間限定の
楽園。あと2ヶ月もすれば、せわしない冬支度を迎えます。
なんだか、わびしい、ものかなしい、せつない、が入り混じった
複雑な気分になったメランコリーな夏の終わり秋の日中でした。
人間は変わらなくても、大自然は常に変わっていきます。
そんな自然がもたらす恵みに、大いに感謝して生きていこう。
今日はここまで。近藤浩二でした。
ではまた。