人間性

言葉もはっきりと話し、もうすっかり成長したと感じさせる、

今年3歳になろうとする男の子が口にした言葉。朝に出会うと

「おいちゃん、おはようございます」その丁寧語の流暢さに

きょとん、とさせられ、返す言葉に固まってしまいました。

その後、大人との会話が成り立つほどに発達・・ほんと人の

成長ってすごいと感じました。想像以上に早い変化、実際に

人が変わって、違った人間になった様に感じられました。

数分後、話に飽きた僕は、テレビを点けて、目線も合わせず

顔を背(そむ)けると、「おいちゃん、***のこと、

好きーー?」って、不安げな口調で眉根を寄せて聞かれて

しまいました。何て返してやろうかと意地悪な僕は「えーと、

どうかな?」視線をそらせない様に見つめられて、僕は故意に

背中を向けて、答えずにいると今度は「おいちゃん***こと、

好きよね」と、彼自身の欲する答えを言われました。こんな

処世術どこで習って覚えたんだろう。昔の彼(人間)が出来る

ことだけで彼(人間)の価値を判断してはいけないのだ。将来

の彼(人間)は今の自分が想像できないほど大きな事をやって、

多くの人々の幸せを左右する存在になっているのだな、きっと。

人間はたったひとつの些細な事で、信じられない変化を遂げる

生き物なのです、本当に驚きです。きっと、今まで彼を取り巻く

環境が、彼を励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげ

たことを評価してほめた結果なのだろう。考えるに、そのきっか

けになるのは彼の《好奇心》《関心》があったからなのです。


「僕のさっきの行為は大人としてのマナー違反だ」と思い直し、

彼を呼び寄せ、ほっぺたをすり合わせて言わせてもらいました。

「うーん、***大ー好きーー。」彼はぱっと明るくなり、

満面の笑顔を返してくれました。直後、気がすんだのか、

席を離れ一人で遊び始めました。人は経験とともに、知識知恵の

獲得と比例して、自我を強く意識し、自分と自分以外の人間の

感情の境目(相違)を明確に感じ始めた証拠なのでしょう。今ま

では、言葉が話せないがゆえに、口で言わなくても、周りの大人

は自分の要求を叶えてくれたのに、言葉を覚えれば覚えるほど、

自分自身の思いが伝わり難くなるし、さらには、思いが伝わら

ない《もどかしさ》が胸の痛みとなって跳ね返ってくる。

《僕大きくなんて、なりたくないよ》子供の本音がなんだか

伝わってきそうです。


自分自身の思いを言葉で正確に伝えようと、彼は知り得る言葉を

脳みそをフル稼働させ選択して口にするのだが、不思議なことに

言葉を満足に話せない時よりも、相手は自分を理解してくれない

現実に苛立(いらだ)ってしまうのです。自分を自覚すれば

《怒り》、《せっかち》、《焦り》等、言葉で言い表せない感情

を抱えこんで思い悩み続けるのでしょう。そしてそれを埋め合わ

せるように、さらに知識や知恵を学び、多くの言葉を覚えて、

意思の疎通を図ろうと努力するのです。しかし多様な言葉で

物事の解決を図ろうとした人類の歴史と同様におそらく最終

手段は《力で持って相手を支配しようとなるのでしょう》っか。

人は年齢の増加で知性が高くなればなるほど、無力感とともに

その限界を痛切することになって、悩み多い辛く苦しい現実を

過ごすようになるのです。多分、それから先の彼の人生は

《人間性》に依(よ)るでしょう。そして《人間性》は

言った言葉、言われた言葉で、作られると言われます。しかし

ここで話す言葉、言われる言葉は《好奇心》や《関心事》に

影響されるのです。好奇心は、間違いなく、日々の生活を

豊かにしてくれます。そして好奇心は、学びたい心の

原動力になります。好奇心の無い生活はきっと

単調でつまらないものです。一方、


周りを見てあらゆるモノに《関心》を持つように意識すれば、

次に何がどうなるのかを先回りして、想定しておくことが出来

、物事がスムーズに、はかどれるのです。なぜなら、人の感情は

絶え間なく揺れ動くからです。そして、愛される、選ばれる、

守ってもらえる価値には相手を絶対に、おびやかさないという

保証が含まれています。

人は、年齢を重ねるだけでは、大人になるとは限りません。

自分の事ばかり考えず、他人との違いを受け入れて

相手を思いやり、子供のような心を忘れないこと。

正直であること、素直であること、夢中になること。

何も考えずにできるのが子供で、何事も自然に振舞う

ことが出来れば、

きっと素敵な大人になれるのでしょう。っね。


今日はここまで。近藤浩二でした。

ではまた。P.S. I LOVE YOU.


 

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