自動車のすべての窓ガラスを閉め切ります。
サイドミラーを収納します。
車を停車位置に止めました。
洗車機の大きな黒ブラシが回転しながら、前から後ろに動き始めました。
《自動車が止まっているにも関わらず、
前進しているような錯覚に陥ります。》
今朝はコメダコーヒーで、家内とブランチをしました。
その後、僕の田舎の実家に寄りました。
農家である実家に、今もって一年に数回、お米を無心に立ち寄っています。
僕は家の庭の駐車場で、車内にて待っています。
新緑にまぶしい庭を見ていると、僕の頭の中は昭和に、タイムスリップしました。
僕が高校卒業するまで生まれ育った家も、大工であった父自身の手によって、建て替えられて40年近くになるでしょうか。
《現在大工修業中の甥が一人前になったら、
再び建て替えられて、近藤家は存続していくのでしょう。》
僕が小学生当時は、庭に小さな池があり、小さな鯉も泳いでいました。僕はその鯉にえさを与えていました。《僕は断じて、ぼんぼんではありません。》
しかも大小200個ほどの、松の木の鉢植えが置いてあって壮観だったと記憶しています。
当時北隣は警察官が、西隣には消防局員が住んでいました。
しかしです。南隣の大きな民家に、早朝泥棒が入ったようなのです。
住人の奥さんが「ど、ろ、ぼ、う」と大声で怒鳴っていました。
そのどろぼうは慌てて逃げたようでした。
《このことは錯覚だったのかな、それとも現実だったのか》
我が家の住人7人には、その声は届きました。2階で寝ていた僕にも聞き取れて、驚いて起き上がりました。
しかもその日に、我が家の庭の、大きな鉢植えが3つほど無くなっていたのでした。
《小学生の僕でさえも無くなっていることには、直ぐに気が付きました。》
ところがです。近所の警察官も消防局員も熟睡して気が付かなかったそうです。
《なんたる失態!!!》
その後、事件は迷宮入りしました。
それから二週間後に、
兄が、兄の友人の家の庭で、我が家にあった鉢植えを、間違いなく見たと言って、父と一緒に見に出かけました。《父も認めていました。》
しかし関係をこじらせたくないため、家族は沈黙を保っていました。
それから2、3日後に、その鉢植えが友人宅からも無くなっていたそうです。
《売りさばいていたのでしょう。そしていつの時代でも、
真実は闇の中です。》
そんなこともあって、母親からその友人との、付き合いを禁じられていました。
しかしながら、僕たち兄弟はその友人と、その後も隠れて、親しく遊んでいました。
《その友人は家庭環境は複雑でしたが、不思議と金周りが良かったのでした。》
でも僕らは別の友人と一緒に、彼を仲間外れにしたりして、冷たくあしらって、いじめていました。《子供心にも事件のことで、腹が立っていました。》
《運動おんちで、泣き虫だった彼を、よくからかって、泣かせていたものです。》
《今思うと、酷い事をしたと、反省しています。》
そんなことを回想しながら、近くの洗車機で自動車を洗車しました。
車を止めて、大きな黒いブラシが前から後ろに動くと、
止まっている自分達が前進しているように、
大きな黒いブラシが後ろから前に動くと、
止まっている我々は後退しているように、錯覚してしまいます。
我々の人生そのものも《錯覚》の生み出した幻想かもしれません。
当時の僕の記憶自体が《錯覚》によって作られた妄想だったかもです。
本当に動物は行動のほとんどが、頭の機能によって生かされている事を気づかされました。《錯覚の不思議》を痛感しました。
もしかすれば、今僕が生きているのも《錯覚》かもです。
「お前はもうすでに、死んでいる。」と、
いつ、宣告されるのでしょうか?
その時こそ、本当の《錯覚》であってほしいと僕は思います。
今日はここまで。ではまた。近藤浩二でした。
今日も2曲プレゼント。
ダートバンドでアメリカンドリームです。
http://taiyohanasaku.waterblue.ws/koji/wp/music/THEDIRTBANDFeaturingLindaRonstadtANAMERICANDREAM.mp3
レッドツッペリンでハートブレーカーです。
http://taiyohanasaku.waterblue.ws/koji/wp/music/LedZeppelinHeartbreakerS.mp3