人生の転機となる時、必ず人との出会いがあると聞かされたけど…
まことに、節目節目で用意されたように、自身の人生がガラリと変わるような出会いがあったことは、
今の私には大きく頷ける。
もう数十年も前、まだ20代の頃…
いつも週末通っていたスキー場に来ていた見かけぬ素敵な女性。
白いウェアーに身を包み、上から滑るさまは かっこよくて、思わず声をかけさせてもらった。
「いつもどちらで滑っておられるんですか?」
「私、白馬のスキー場でアルバイトしてたんですよ。」
私の脳裏に叩き込まれた スキー場で働く…なんていう新しい世界。
普通のOLを満喫し、週末スキーヤーだった私にとって
夢のような世界を経験したその女性は輝いてみえた。
それから半年ほど経った初秋のころ、営業所の所長が私を呼び出し こう伝えてくれた。
「来春、新居浜の営業所と高松の営業所をひとつにするから、辞めてもらわないといけない」
今でいうリストラでしょうか。
しかし私の胸は、高鳴り 歓びに溢れ…
「来春でなく、12月で辞めさせて下さい」…と。
あのお姉さんの様に、毎日スキーが滑れる!!!
ちょうど先シーズン、バッヂ検定2級を習得した私は、
当時の愛読書「スキージャーナル」の左枠に書かれていた
“インストラクター募集”の欄を見逃してはいなかった。
採用基準は、バッヂ検定2級程度~。
今思えば、このリストラも神様が仕掛けてくれた プレゼントだったのかも・・・。
あの日、ゲレンデで輝く素敵な女性に出逢っていなかったら
きっと、ここから始まった私の人生はまた違ったものになってた
かも知れない…。
《こんどう ちえこ25歳の冬~初秋の出来事》