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おむすび

先日、いつも往診に行かせて頂いている 今治市波方町の患者さんから群馬県にある長徳寺ご住職の書かれた

「おむすび賛歌」ー仏さまと手を結ぶー

という、小冊子を頂戴しました。

16ページほどの小冊子…少し抜粋させて頂きます。


古代インドには右手右肩を「浄・仏さま」、左手左肩を「不浄・人間」と考え、貴人を迎える際には、尊敬の意を表すために、右肩を貴人に向けて、時計の針のようにその周囲を三度回った…という礼法があった。

両手を合わせるのは、「仏さまと一体になりたい」という人間の悲願(切なる願い)があったものと考えられます。

「おむすび」は両方の手が力を合わせて作るものです。

仏教詩人・坂村真民さんは〝おむすび”という詩のなかで、
「むすびあうという、そのなのよさ」と言っていますが、まさに おむすびは「結び合う」という心の象徴でもあるわけですね。

おむすび、おにぎり、にぎりめし、と言い方はさまざまですが、ここでは「おむすび」を採りました。

仏さまと手を結ぶのだ、と思っていただきましょう。


一、赤ちゃんの産声

赤ちゃんは母親の胎内で両手を組んでいます。仏さま、そのものの姿なのです。

この世に生まれ出るとき、赤ちゃんは大きな産声をあげます。人間として生きていくのだ…という決意の声なのです。

産湯を使わせるとまた大声をあげて泣きます。両手が離れると不安感におそわれるからです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中略

このことを思うと、人間は両手がばらばらなとき 不安感におそわれやすく、両手を合わせると安心感を得ることができる…と考えられるのです。

祈る、願う、悼む、感謝する…このようなとき、人間は両手を合わせたり組んだりしますが、それは純な心の表われで、その姿は「そのままで仏さまなのです。


そして、この小さな本の中には おむすびを通して受けた母への愛の形が2~3書かれていて…胸の中がじ~んと熱くなりました。

母の作ってくれてた俵型のおむすびは、実は私なかなかうまく作れず、いつも三角おむすび…か、ま~るいおむすび。

ま~るいおむすびは、山形の月山でアルバイトさせてもらった「ロッヂ柏や」のおばあちゃんが作ってくれるおむすびが、真ん丸で…

ちっちゃい手で、やさしくやさしく むすぶ おむすび。

海苔でくるんで、山で食べるおむすびは、青春の味。


そういえば、スキーでヨーロッパに1ヶ月半くらいシーズン前に練習に行ってた時も、住んでたペンションの屋根裏の部屋で 山用のコッフェルで ご飯を炊いて…お昼おむすびにして持って行ってたことを思い出します。

お金がない中での1か月半…その時お世話になった日本人にもおむすび渡して喜んでもらったことも…。

お米の国だからこそ味わえるおむすびの暖かさ…。

この本の中にも、最後こんな風に…

「おむすび」とは、不思議な食べ物ですね。作ってくれた人の心が詰まっていて、ありがたいと思うと同時に、人さまにもそうしてあげたいと…自然に思えてくるから不思議なのです…と。

今、私は丸いおむすびに紫蘇の葉をのせて、海苔でくるんだおむすびがお得意。

私のおむすびで、誰かのハートが暖かくなるとうれしいな…と思います。