母性

先日BSテレビで視聴した「ワイルドライフ」。

雪も積もらない高山地帯に生息するヤギの親子。

切り立った稜線(りょうせん)や岩肌に、まれにしか

自生していない植物。

少し距離を置いて、食事を楽しむヤギの親子。

一方、そこを密かに、上空を旋回しながら、凝視している、

獲物を狙っている鷹(たか)の、《鋭いまなざし》たるや

半端じゃないよ。ヤギさん、危機一髪です。死と隣合わせの

食事は、消化に悪いよ。でも生きていくためには、

そんな上品な事は、言ってられない。よね。


ニュヨークの犯罪多発地区に居るような、恐怖で、ただならぬ

気配を感じた母親が、わが子のもとに歩み寄り、

わが身を盾(たて)に、自分のお腹の下へと追い込み、

守ろうと必死です。

その姿は、母親であればこその防衛本能からの行為です。

一歩間違えば自分自身が標的になり、

死ぬかもしれない行動です。まさに《自己犠牲》の極みです。


異なる過日のこと。一歳余りの幼児を、眼科に連れていくため

夕食まで我が家で預かりました。その時偶然見つけてしまった

《母子手帳》。妊娠中から、自分の素直な気持ちを

綴(つづ)った、きっと誰にも見られたくない、

お母さんの秘密の気持ち。

しかしです。我々夫婦は二人で覗(のぞ)き見して

しまったのでした。(お母さん、ほんとにごめんなさい。)


「半年過ぎた頃からお腹をけり続ける元気な子」

(男の子であることを確信した瞬間。

(実際その子は男の子でした。))鋭い母親の五感。


生まれた直後に書かれた、母親の真実の胸中と決意。

「***お母さんのところに、生まれてくれて

本当にありがとう。」

「誰よりもお母さんは***あなたが一番大好きです。」

「***あなたはお母さんの、かけがえのない宝です。」

「何があっても、***あなたを全力で守ります。」

(原文そのままではありません。要約しています。)

(目を通した瞬間、心の中、いやいや、目から涙が出ました。)

《真実は想像を超えて人の心に響きます。》


若くして恋愛して、できてしまった子供。

おろすことなど、露(つゆ)ほども考えられなかった大切な命。

未婚の母として、母子ふたりで強く生きていくことを

選択した運命。(しかし渡る世間に鬼はいない。

を痛感する毎日。)行政と親切な市民のおかげで

順調に成長しているわが子。


保護者の養育なしに、生存できない生物の、

メス親(母親)に見られる養育行動の反応及び行動原理、

として存在するとみなされる本能のこと。とはグーグルで調べた

《母性本能》の説明。前述のヤギの親子の運命は


母ヤギの強引な抑え込みに、子ヤギが感じた

窮屈(きゅうくつ)さのため、ふいに母ヤギのお腹の脇へ

それて、子ヤギが肩で息をしています。その一瞬を、

たかは逃さず、急降下してヤギの急所を一撃必殺。その後、

自分より倍も重いヤギの子供を、口にくわえて、たかは

飛び立って行ったのです。続いて

カメラアングルは母親ヤギの表情を捉えていました。

言うに言われぬ悲しみ、悔しさ、なぜにわが子が

捕らえられてしまったのか、と言った目が点になって

しまうほどの驚きと脱力感、虚しさ、寂しさ、

無力感、やるせなさ、を捉えて自然界の弱肉強食の非情、冷酷

厳しさを哀れに伝えていました。


《母性》と言う《強い愛情》は

人間界では《女は弱し、されど母は強し》と言って

女性は母親になると、子供を守るために強い力を

発揮するものです。

しかしながら、自然界の野性原理(食物連鎖)の前では、

悲しいかな、ひとたまりもなく、駆逐(くちく)されて

しまうものなのでした。


今日はここまで。近藤浩二でした。

ではまた。