前回の続き。竹田恒泰氏いわく、仕事には2種類あります。
ひとつは《お金を追いかける》仕事。
もうひとつは《お金がついてくる》仕事。
東北大震災後の翌年のこと。為替は超円高。ふたつの企業の
トップの経営方針の両極端な考え。トヨタ自動車では
「国内で生産を続け、国内で販売を促進させたい。」一方某
有名安価家電メイカ―では「出来る限り、海外に工場を
移転していきたい」と。セオリーで言えば、円高では
貿易戦略は困難になりますよね。海外販売は国内の販売価格
より割高になるためです。反対に海外の賃金は国内より
割安になります。通常ならば後者の経営方針でしょうか。
しかしその後、トヨタは上場以来最高の増収増益。片や
家電メイカ―は中国に身売りといった結果に。その結果の違いの
原因は? 目先の利益に飛びつこうとした企業と製造企業の
経営理念である「ものづくり」の王道に立ち還った企業の
差である。との事。なるへそ。経営って難しい。
困難で試練の時だからこそ、むしろ目先ではなく、長い目で
《さらに良い製品》を作ろうと、技術をより研鑽(けんさん)
して「ものづくり」日本、の原点に立ち返り《お値段以上》を
地道に提供し続けたからこそ、賢い消費者を失わなかった。
「お金もうけ」と恋愛は同じで、追いかければ追いかけるほどに
相手(お金)は逃げてしまう。押し過ぎず退(ひ)いてみよう。
もう一度「ものづくり」日本の精神《決して手を抜かない》
《お値段以上》、《最善を尽くす》、《最良品を》の精神を、
見つめ直そう。まずは時間をさかのぼって歴史を見てみよう。
・昭和時代に群馬県ローム層で岩宿遺跡(磨製石器)の発見。
「人の手によって磨きかけられた」約3万年前旧石器時代の石器
人類最古の「人の手による加工技術の産物」
・1853年ペリー来航の時代から貿易で資産を貯蓄し始める。
以前は米本位制でお米が通貨替わりだった。これ以降お金
(銀か金)が、米に変わって通貨として真に認識され始め
流通し、容易に貯蓄出来るようになる。お米は採れた時が最も
価値が高く、時間の経過とともに価値が下がり、貯蓄しても
価値がきわめて薄い。しかも残ってしまえば、
残るほどに流通価格が下がる。米本位制度が崩壊し始める。
・世界一の優秀な絹織物を厳格な管理と緻密な製造工程によって
光沢があり強靭な製品を作り続け本家中国をしのぎ世界に販売。
・チャイナと呼ばれる陶磁器も元祖中国を超え世界に認知。
歴史が古くは先祖から手先が器用で「ものづくり」の
才能があった。事を物語っている。
最後にまとめとして、日本の持つ強さの秘密は
-
- 日本人の勤勉と完璧主義。
- 製品に対する強いこだわり。
- ひたむきに仕事に取り組む姿勢。
- 「ものづくり」に対して仲間が同じ方向を見ている。
- 強いきずなで結ばれたチームワークの良さ。
- トップからボトムまで以心伝心の関係。
日本人は、いったん仕事を頼まれれば、たとえ
報酬が少なくても、最悪もらえなくても決して
手を抜くことなく、完璧なものを作り、納入するのです。
むしろ見返りがまったく無ければ、無いほど不思議と
より完全で完璧な仕事をしようとするのです。逆に
そういう人間が尊敬を集め、評価される社会なのです。
日本国が世界で最貧国から世界有数の経済大国に
なった背景には上述が、考えられるが、その精神性の根底に
根付いているのは、江戸時代に広まった《武士道》なのです。
ひとことで言えば《世のため、他人(ひと)のため》の
《利己(りこ)》でなく《利他(りた)》の精神なのです。
幕末当時、英国人が日本にやってきたとき片田舎の
食うや食わずの貧しい農民でさえ、礼儀正しく、規律正しく
生活していることに、驚愕(きょうがく)したそうだ。
英国人が当時日記に記載していたそうな。
衣食足りて礼節を知る、が通説だが、日本人は
衣食足りなくても礼節を知る、国民なのです。
今日はここまで。近藤浩二でした。
ではまた。