雪の日

最近寒さのおかげで、目覚めが早くなった。まだ8時過ぎ。

底冷えする冷気で、精気がどんどん奪われそうなので

かじかんだ指を、自由な右手で、左手左足を数十、数百回こする。

数か月ぶりに暖房を点ける。数分後

布団の中が南国の楽園に思えた頃には、

まさに起き出す時間だと覚悟を決めた。

携帯電話で目覚めの音楽を流す。「♪~」、「~♪」。


やがて妻が氏神神社の伊曾乃神社の朔日市(ついたち)祭から

帰って来た。この寒い中を早朝から参拝とは信心深く感心感心。

表に出ると、昨日の天気予報の通り、雪が舞い落ちていた。

小さい可愛い雪の塊が「しんしん」と降っていた。

地表付近には思ったほど風が吹いていないので、

積もる雪だと予測が確信に変わった。数年ぶりの

積雪現象に、くすぶっていた好奇心に火が付いた。

変わり者の夫婦は積雪状況と舞い散る雪を鑑賞したくて、

県境に位置する四国連峰の中腹あたりまで

ファーストフードとホットコーヒーをお供に

道路をドライブ。


まさに県境に位置する、寒風山トンネル手前の道路脇の

小さな停留場に真っ白い雪が一面に広がる。素晴らしい壮観だ。

その雪面はまだ誰にもけがされてない、まさに

「バージンスノウ」しかし、すこし横に目を向けると、

すでにその雪面に先客の車が停車。

母子2人が雪面で戯(たわむ)れていた。

まだほんの3、4歳の小さな子供が小さい赤い両手で雪を

すくって、口元に持って行く。母親がそれを制して、

雪玉を作って子供に渡す。子供がそれを手にして、

雪景色を背景の渓谷(けいこく)に向けて思いっ切り投げる。

放物線を描いて雪玉が飛び去る。母親も負けじと投げる。

子供のそれより、さらに大きな放物線になって飛び交る。


今居る、この場所が雪国かと勘違いしそうなほど、

非日常を感じさせない光景に、我を忘れて見入る。


生まれて初めて目にする雪化粧の風景と、

「雪」といった白くて、けがれの無い冷たい

《自然物》を身を持って体感した幼子なのだ。

積雪することのほとんど無い南国愛媛で、

ぜひとも子供に「雪」を触らせてあげたいと

願う母は極寒の中、我々夫婦と同様に、

急いで車を走らせ、何者にも踏み入れていない、雪面を求めて

辿(たど)り着いた終着点。


その後、幼子は誰はばかることなく、まるで無条件に命を

爆発させるかの如く、雪面に寝転び、無駄に飛んだり跳ねたり、

声をあげていた。「キャー」、「つめたい」。

天真爛漫に雪世界を駆け回っていた。それは

無目的、無条件、ただそうしたいから、

そうしている、そうしないではいられない、その光景は

今、我々が忘れてしまっているエネルギーの純粋な爆発。


これこそ、動物である人間の根源であることを実感した。

「生きること」とはエネルギーの《爆発》なのだ。


今日はここまで。近藤浩二でした。

洋楽紹介します。ではまた。


ベラミーブラザーズで「愛はそよ風」です。

1976年リリース。全米No.1位。アルバム「愛はそよ風」より先行シングルカット。米国のカントリー畑の兄弟デュオ。

冬よりも春の季節にピッタリの歌曲です。

高校生当時NHKラジオで録音して、よく聞いたお気に入りの曲


 

バーバラストライサンドでウーマンインラブです。

1980年リリース。3週連続全米No.1位。アルバム「ギルティー」からシングルカット。ビージーズの3兄弟の作品。

米国を代表する世界的女性スター。

歌手、女優、監督、作曲家。御年74。愛の歌。


 

ジョン・オノ・レノンでインスタントカーマです。

1970年リリース。全米No.3位。当時シングルのみで発売。後にアルバム「ベスト盤」などに収録。ソロ直後のヒット曲

プロデューサーにビートルズ時代の大御所フィルスペクターが担う。ジョンの歌曲の中で「音」的に好きな楽曲。

「インスタント(すぐに)降りかかるカルマ(因果)」の意味。


 

ドナルドフェイゲンでニューフロンティアです。

1982年リリース。シングルカットせず。アルバム「ナイトフライ」のB面1曲目に収録。ボイスオブスティーリーダンの

メンバーの初ソロアルバム。ジャズ色の香り漂うポップロック。


 

 

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