愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。そして聖人は経験から悟る

徐々に相手との距離が近くなっていきます。もう1メートルを切りました。顔と顔は至近距離数10センチと言ったところでしょうか。互いに声高に叫んでいます。熱が上がり始めるにつれて、互いに真剣な表情で目を合わせて訴えかけています。しかしまったく解ってもらえません。一方がとうとう堪忍袋の緒が切れました。手で相手のほっぺたを往復してしまいました。交渉がやっと一時決着しました。《しかしその場の雰囲気は緊張が走ったままです。》


人の《衝動》は《理性》をも、膝まづかせるものなのです。

以上は想像ですが、

500年程前、探検家コロンブスが北アメリカ大陸を発見し、先住民のインディアンと遭遇した初期の頃のいきさつです。

当時最新科学を有するコロンブスたち文明人は未開人よりも、人並み以上に強欲で身勝手だったでしょう。とりわけ探検家の彼は間違いなく独裁者でわがままの極みであったでしょう。


当時地球はまだ平面であって、ある地点を過ぎれば突然落下して、奈落の底に落ちると一部の知識人以外の人たちは信じていました。

そのような世界観の人たちを引き連れての新航路の発見の旅なのです。独裁者でなければリーダーは務まらないでしょう。


先日の週末。一軒間口の、行列のできる人気のたこ焼き屋の軒先の駐車場で、車内の助士席に座っていました。椅子に腰かけて、行列に加わろうとする一組の母娘を見つけました。3、4歳と思しき可愛らしい女の子が店の窓口付近で、飛んだり跳ねたりしています。しかも駐車場の地面に手で絵を書いています。とても活発な、お子さんです。お母さんは疲れているのか、椅子に座って女の子の遊ぶ様子を頬杖ついて観ています。

女の子と目が合いました。こちらに近づいてきます。車のドア越しに「降りて」「降りて」と声が聞こえました。僕はドアを開けました。さらに近づいて来て、再び「降りて」「降りて」とせがんできます。《彼女は僕と一緒に遊んで欲しかった。》のでしょう。

「ごめんね」「病気で降りられないの。」「ごめんね」顔を近づけて謝ります。

近くで顔を見ました。尋常でない何かを感じました。彼女の両方の頬っぺたが青くにじみ、ひと筋の切り傷が見受けられました。

「ほっぺたどうしたの?」「けがしたの?」答えません。

再三再四聞きました。にこっと笑うだけです。お母さんを見ました。「転んでけがしました。」ふーん。

左右両方の頬っぺた同時に? 不自然過ぎます。

冗談で「DV?」と言うと笑っていました。《あながち、当たらずとも遠からずかも》と思いました。

その後、順番がやってくるまで10分間、あちらこちらに行ったり来たり、当たり構わず触りまくり両手が真っ黒。その手で自分の顔や服を触って、それらも真っ黒。

少しもじっと、していられません。お母さんは一刻も目離しできません。


「元気で子供らしい可愛らしい子供だった。」と帰りの車内で妻と話していると、

「あのほっぺた、転んでけがしたなんて嘘やろ。」

「たぶんお母さん、言うこと聞かん時に、両手でつねるのでは。」

「何度も何度もつねって青血になった。」のでは。

その憶測に僕たちお互い納得。

《子供に対して、《しつけ》を超えた、強い怒りは無いにしても、それに準じる感情は否定出来ないでしょう。》

《まさに、隠すより現るです。》

子育てって本当に大変なのだろうと、子供のいない僕ら夫婦は知る由もありません。


そう言えば、僕が「DV?」と聞き返した時に、母親の表情が一瞬変わったような。《母親は内心、ドキっとしていたのでしょう。》


何度言っても、どんなに言おうとも、

自分の「意志」や「言い分」や「気持ち」を、分かってもらえなければ、

イライラして頭に血が上り、

手や足が反射的に出てしまい、

力で持って説き伏せたがる、ことは人の常でしょう。


近年「体罰」が問題視されて、その是非が論議されています。職業としての指導者ならば、手が出た時点で、レッドカードでしょうが、当事者同士が納得ずくでの《指導》や《躾(しつけ)》はある程度《容認》されて然るべきと僕は思います。


僕が社会人になって間もない数年間、振り返ってみると、

酷似した《失敗》を幾度も繰り返していた時、

先輩の一人が、

「《痛い目》しないと、治らないのかな? 近藤くんは?」

と言われてしまいましたが、実際、

「厄介事」になって相当「苦労」した後、僕自身、

《注意力》、《観察力》、《責任感》等が少しは身に付いたような気がします。


「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」

そして「聖人は経験から悟る」 と言われます。

人によっては、頭で理解するより、

身体で経験し体感しないと、

学ぶことが出来ない事があることも事実でしょう。


今日はここまで。ではまた。近藤浩二でした。


ポインターシスターズでアイムソーエクサイティッドです。

1982年リリース。 アメリカの黒人女性コーラスグループ。

ポップで乗りの良いディスコサウンドです。

http://taiyohanasaku.waterblue.ws/koji/wp/music/ThePointerSistersImSoExcited.mp3


スティックスでパラダイスシアターです。合衆国のロックバンド。バンド10周年迎え、円熟を極めた傑作コンセプトアルバム。2曲の大ヒットシングルを含む。

1981年リリース。同名アルバムタイトル曲。

原題はザベストオブタイムズ。同アルバムからファーストシングルカット。ライト感あふれるポップロックな作品。

http://taiyohanasaku.waterblue.ws/koji/wp/music/StyxTheBestofTimes.mp3