雲が遠くまで、はき出された、青空の澄みわたる週末の土曜日。
母を連れ出し近くの茶店でモーニングを楽しみ
その後北西に車を走らせること30分、小高い丘の中腹あたりの
世界一長い吊り橋の起点に位置する、
休憩所「サンライズ糸山」に到着。
車を降りると潮の香りが優しくほのかに漂う。
緩やかな坂が自然と足を進ませてくれる。 =軽やかだ。=
青天のおかげで、レンタルサイクル場がにぎわっている。
建物の自動扉を抜けると、正面には強化一枚ガラスからの
海のパノラマが広がる。空は一面、青空。海が陽の光に
反射して目にまぶしく、きらきらと輝いている。
=これぞまさに絶景。=
最前列の一等席に、三人で横一列に腰かける。
水平線が隠れてしまうように、瀬戸内の島々が
握りこぶしほどの大きさで、交錯して点在している。
海面はそよ風による、さざ波だけのおだやかな海上。
時おりエンジン駆動で個人の、小指ほどの釣り用船舶が
海上を滑走している。 心が休まる、落ち着く、癒される。
時間が《ゆったりとゆっくり》と流れる。
=「せとうちや、ああせとうちや、せとうちや」です。=
「お義母さん、いくつになった?」 何気に尋ねる。
すぐにはかえってこない。
「なんぼなんかいね、、、、忘れた、、」
視線をそらせてつぶやく。
「うちの母と同級生やから、今年85やわ」
あっと、思い知らされ、ふと我に返る。
「そうなん」。 驚いたように振り返り、うなずく。
「そうだねー」って突っ込む。
=間がもたず、手持ち無沙汰なのか=
「何か食べようか?」ジャンボもなかを等分する。
「もぐもぐ」、「もぐもぐ」、「コーヒー買ってこよう」
ホットのつもりがアイスのボタンを、押してしまったようだ。
仕方なくアイスにアイスを混ぜ込む。でも美味い。
「お義母さん、どこか行きたいとこある?」、
「うーん、特になーい」。そっけなく答える。
「何か食べたいものは?」、
「うーん、ないね」。即答する。
人は自分で経験したことの無い事は思い描けないのだ。
見たことのない景色は空想することも、
心に思うことも、考えられないのだ。
想像できないのだ。というよりその前に、
考えよう、想像しようとしないのだ。
昭和ひとけた世代は、生きるだけで精一杯だったのだ。
特に母は貧乏性で贅沢とはまったく無縁な人なのです。
《家族を思いやり、つましく生きるだけ》 の少し哀れな母に
シンパシーを感じた。
=子供のころの 母の苦労を思い出し、うなだれる。=
しかしここでふと考えさせられた。
経済成長の渦中(かちゅう)で 豊かさを経験した者こそが
幸福であるといった、価値観の押し付けは
傲慢(ごうまん)以外の何ものでもないのであろう。
母が僕たちの考えを受け入れることはないであろう。
どのような人にとっても無条件に良いと思う価値観なんて
絶対存在しないのだ。
何かをしてあげようといった《急場しのぎ》は今は不必要かな?
頼まれもしないことに、首を突っ込む
おせっかいは、よそうと思いとどまった。
今日はここまで。近藤浩二でした。
洋楽紹介します。ではまた。
リトルリバーバンドでリミニッシングです。
1978年リリース。全米No.3位の大ヒット。アルバム「夢追い人」からシングルカット。自身初のヒット曲。
ムード音楽のフレーバー漂う甘い楽曲。ジャズの要素もあり、サビのハーモニー、エンディングのサックス、短いギターソロなど聞き応えたっぷりの出色のナンバーです。
邦題「追憶の甘い日々」=「reminiscing」
=「思い出にふけること」
オーストラリア出身のロックグループ。
キャロルキングでフィールジアースです。
1971年リリース。5週連続全米No.1位。アルバム「つづれ織り」からシングルカット。アルバム「タペストリー」は超大ヒット。「イッツ テュー レイト」との両A面。
邦題「空が落ちて来る」。ライブ音源。
ピアノの連弾の始まりが印象的。かっこいい楽曲です。
ブルース要素いっぱいのロックナンバー。
ホイットニーヒューストンで「すべてをあなたに」です。
1985年リリース。全米No.1位。アルバム「ホイットニーヒューストン」からシングルカット。
同アルバムから全米No.1位獲得3曲収録。彼女の出世作。
邦題「すべてをあなたに」。いけない恋だと分かっていても
自分の心に素直に正直でいたいのよっていった
禁断の恋を歌った歌曲。バラード曲。
マイケルマッサーとジェリーゴーフィンとの黄金コンビの作品。
マイケルジャクソンでビリージーンです。
1983年リリース。7週連続全米No.1位。アルバム「スリラー」からシングルカット。言わずと知れたキングオブポップ。
アルバム「スリラー」はギネス認定の音楽史上最大のヒットアルバム。とっても乗りの良いダンスミュージックかな。